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僕を作ってきた作家達・3
b0156116_2215612.jpg「メザスヒカリノサキニアルモノ若しくはパラダイス」
という劇団黒テントの演劇がある。
高校生の一時期、学校行事との絡みもあってか演劇にはまり込んで、
戯曲を読みあさり、小遣いはたいて劇場に足を運んだりしていた。
その頃に観て未だ印象に残っている一本がこれ。

話の筋は有って無いようなもので、とりたてて激しいアクションもなく、
そこいらの道ばたにいくらでも転がっていそうな、そんな話。
それでも、残り続けるあの印象。


というのも、当時僕の地元愛知県発祥“遊べる本屋”が爆発的に流行っていて、
いつ頃からか、学校帰りに地下鉄途中下車でそこへ寄るのが週一回のお決まりコース。
そして買うのは決まって漫画。
松本大洋
「メザスヒカリ〜」も、そんな僕の青春そのものである彼の作なのです。


彼に男の浪漫(≠ロマン)を描かせたら、右に出るものはいません。きっと。

お馬鹿で格好良く、格好良くて悲しくて、悲しいけれど笑っちゃえ。
そんな漫画を描き続けている。

中でも短編集「日本の兄弟」以降には僕も多大きな影響を受けてきた。

線画の構造やら画面構成やら、その後の映像制作に少なからず活きていたろうし、
なによりその精神性。


「GOGOモンスター」や、当時やはり読みあさった諸星大二郎の短編集などにみられる日本的な“カミ”への“畏れ”が、
意外にも現在の僕のもの作りにリンクするばかりか、
むしろその基盤になっていることに、あらためて気付かされる。





はじめは皆ヒーローに憧れる。
「僕はきっとなにものかであるはずだ」。
いずれ
「僕はなにものかにならなければ」と焦る。

でもそうじゃない。
僕は僕のままで、とるにたらない小市民だけれど
ただ、ただ、ヒカリノサキを目指す。パラダイスを目指す。
それだけはできます。

続けます。
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by aji-kyuu | 2009-02-02 23:19 | 読む | Comments(0)
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