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秋の只中へ、
ぐずついた空が雲を変えたら、急激に気温が下がり、
空気が入れ替わりましたね。
早々に冬の記憶すら覚まされます。

僕らのような仕事をしていると、
水の冷たさや、手の荒れや乾燥と戦う季節の到来。
来たかあ、と首をすくめて身構える気持ちと
あの、「さむさむー」とヤカンの湯気が立つストーブに手をかざす、他とない心地よさを思い出すこの頃。


海沿いの我が家の周りの木々はみるみる色を変えていて、
葉が落ち切った枝ぶりも目立ってきています。

とはいえ関東でも南方。
風が冷たいのを除けば、暖かな方なのでしょう。
北関東、あるいは地元の人に言わせると南東北と称してもあながち間違っちゃいない彼の地は
とっくに冷え込んできていることと想像します。

その地、栃木県茂木町で春に続いてこの秋もイベントに参加します。



「秋。陶器市からいらっしゃい」

開催日時 /
11月4日[金] 11:00 ー 16:00 
5日[土] 11:00 ー 21:00 *17:30から「Drive Inn Motegi BAR」営業
会場 /
ドライブイン 茂木・栃木県芳賀郡茂木町町田21

[陶]
安達 健・徳山 久美子・成田 真澄・成井窯・二階堂 明弘・増渕 葉子
[農]
大内 明美・大越 敦夫・生井 賢一・生井 園子・生井 ミイ子
[食]
磯部 直美(菓子)・落合 正昌(パン)・風間 寛・田中 智昭・網川 明子・二階堂 明弘・町田 夕子(珈琲)
[本]
町田 泰彦

問い合わせ / Tel. 0285-81-5006[雨余花ウヨカ]



もちろん、今回も隣町では益子陶器市が開催している期間中。
ここ数年、様々な意味で飽和状態にあるように感じられる陶器市から
半ば逃れるような形で立ち上げられたイベント。

そんな僕も、中心となる雨余花さんのスタンスや、そこに集う人々の色合いに共鳴するものがあって
陶器市に復帰することなくこちらへ。

春の開催では、やはり陶器市に憔悴した方々が逃れてきたり、逆にあえてこれをのみ楽しみに来てくださった方々も。
僕自身期待以上にとても快い数日を過ごすことができました。


秋はどうだろうな。
きっと景色も全く違うだろうし、(春はちょうど目の前の棚田に苗が植えつけられている時期でした。)
違う時間が流れるだろうな。

「土」をキィにして、また2日間の桃源郷が立ち現れます。
ぜひぜひドライブにお越しください。
良い秋の休日が過ごせることと思います。


*お車でお越しの際は、ナビに茂木町町田25と入力されますとスムーズです。駐車場は十分にございます。


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by aji-kyuu | 2016-10-31 17:25 | 案内 | Comments(0)
秋の夜長に
朝晩の気温が「寒い」ともらしてしまうくらいに下がるようになってきました。
つい先日まで、夕餉のビールに喉を鳴らしていたのに
その気もおきないこの頃です。

そんな、いよいよ秋も深まりつつあるこの時期に、これぞという展示会です。



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お酒をたのしむうつわ展

2016.10.20(thu) - 25(tue)
11:00 - 20:00 *Last Day -16:00


うつわ謙心(東京都渋谷区)

参加作家 …………
安達健 岡崎慧佑 加藤育子 岳中爽果 前田直紀




これまでうつわ謙心さん企画のこのメンバーで毎年テーマを変えつ重ねてきた展示会。
今年は『お酒』を楽しみます。

僕自身、はっきり申しまして、お酒は好きです。
毎日、ビールなら一缶。
焼酎ならロックで一杯。
日本酒なら盃に三、四杯。
量は要らない。

お酒の場が楽しくて、とか
酔うのが気持ちよくて、とか
ではなく、
ただお酒が好きなのです。

味わいや薫りはもちろん、
米や麦などから醸成するその人間の叡智と技術には敬服しますし、
お酒を取り巻く文化ともいうべき様々に積み上げられてきた趣向には、掘れば掘るほどに感心させられます。
その一端を器が大きく占めていることは、言うまでもないこと。
時に、お酒が好きなのか、酒器が好きなのか、分からなくなっている方も見受けられて
でもその楽しそうな背中は、羨ましいとすら思います。

先の個展でも酒器をお探しの方々が何組かいらっしゃいました。
残念ながら会場に並べてはいなかったのですが
そこに用意しなかったのは、この企画に今の僕の酒器のすべてを注ぎたかったから。

また、うつわ勉強会 基という活動名義の下、重ねている酒器の研究は未だ道半ばではありますが
その経験も少なからず活きていることでしょう。

5人展ですので、点数としては多くはないものの、ぎゅっと絞って力入れております。


会場は毎年使わせていただいていた酢飯屋・水道ギャラリーではなく、青山学院そばのうつわ謙心にて。
僕安達は初日20(thu),23(sun),25(tue)の三日間在廊します。

ぜひ秋の夜長、美味しい肴と美味しいお酒とおいしい器を求めに、お出掛けください。
よろしくお願いします。


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by aji-kyuu | 2016-10-09 21:46 | 案内 | Comments(0)
銘々器
今年も秋の気配が朝晩そくそく立ち上がってきました。
この季節です。


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安達 健 陶器展

2016.9.10(sat) - 19(mon)
11:00 - 19:00

*14(wed)休み
*最終日は16:00終了


knulpAA gallery(東京都練馬区)



年始から横浜の妻の実家への居候が続いていたわけですが、
このほど晴れて我が工房兼住居を得ることができました。
まだまだ十分と言える状況ではありませんが、しばらくここで生きていこうと決めました。

それがついひと月前のこと。

このタイミングで、5年以上前から唯一毎年個展をさせていただいているギャラリーでの展示会となります。

制作環境が無い、ということはやはり想像以上に苦しく、
上手く呼吸ができないというか、心にパーツが足らないというか、
これまでに経験したことのない、なんとも危うい感覚で居ました。
やや急いだ感もあり、けして万全な環境ではないものの
それでもこうして、作業を始め、繰り返すことで、作る場が日毎できてゆき
あの本巣で8年余かけて積み上げた我が工房の空気が戻ってくるのは、とても嬉しい。

ああ、僕という人間はこういう仕事だったのだな、とあらためて確認するこの数週間です。


先日、お盆参りを兼ね、半年前まで生活していた家を訪ねました。
正確には家が在った場所を。
もうそこは僕が出ることをもって取り壊し、今は更地。

建屋はもちろん、見慣れた庭木や石、花はそこに無く、
まだ膝丈には満たない、けれども青々とした若い草が一面にそよいで、
そして、なによりそこが広かった。

あそこで暮らした日々はまるで夢のように跡形が無く、
ただ、隣近所のおじちゃんおばちゃんは相変わらずの顔で歓迎してくれて、
切ないとか、懐かしいとも違う、なんとも不思議な心地になりました。

それとともに、あの時気付けなかった幸福と感謝が心中を満たします。

今告知を打つこの地が、そういう場になるだろうか。
まだ見えませんが、そうであってほしい、そうしたい。

その第一歩になる本展です。


さてようやくここから内容。

今回は「銘々」をテーマに、小さめの器を中心に並べようと思っています。
以下DMテキストより抜粋。


その碗は今日も明日もあなたの器、
あの鉢は今日のあなたへの今日の器。
代わりのいないあなたを見守る属人器と
あなたの揺らぎや移ろいを受け容れる銘々器。
どちらもあなたの存在を確かなものとする、食の場の装置。



こんな意識で、新たな工房から生まれ出る器を受け取っていただけたら。

安達の在廊は、
9/10(sat),11(sun),12(mon),15(thu),16(fri),17(sat),18(sun),19(mon)
要はほぼ全日。


よろしくお願いします。




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by aji-kyuu | 2016-09-03 19:49 | 案内 | Comments(2)
ISHIO
今回はちょっとばかり異色のご案内。

とはいえ僕の軸心からすれば、あるいは僕を昔から良く知る方からすれば
とりたてて不思議でもない宣伝告知です。


映画『ハルをさがして』の公開間近です!


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大学では映像学科に在籍。
主に映画を学んでいました。

その理由は、小・中学生の時代からの仲間たちと「映画作ろうぜ」という夢を実現するため。
大学在学中はもっぱら、学内よりも学外。
叶えるためにと上京し、それぞれ別の学校に籍を置く当のやつらと映像制作団体なるものを立ち上げて、
関東周辺であちこちあれこれしていたものでした。
その団体の名は「ISHIO」

その後、僕は袂を分かったと言いますか、別の道を選び今に到るわけですが、
以降もプロフェッショナルの現場に分け入って、はたまた海を行き来し、地力を積み上げてきた者たちがついにやってくれました。

ISHIOの中で最も青い心を失わない、というよりかその青の深みを一層増しているように思われる尾関玄が脚本と監督を。
互いがスポーツ刈りの頃から兄弟のように付き合ってきた内藤諭がプロデューサー。
大学の同級生も編集で関わっています。
今もなお信頼おけるチーム。

公開はあの下北沢トリウッド


僕自身完成披露試写と試写会、二度観せてもらいました。

けして突飛な映画ではないし、何を今更と思われるモチーフかもしれません。
でもあの「3.11」を抜きにしても、
誰しもがその昔経験し、今も、そしておそらくこれからもその度にどうしようもなく心を揺さぶられる、人との出会いと別れ。
大事にしたいなあと、またこうした形で思わせてもらえる丁寧な作りの映画です。

ぜひぜひ、足をお運びください。

そして、彼らの、「ISHIO」の今後に、ぜひご注目ください。
よろしくお願いします。
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by aji-kyuu | 2016-08-01 22:41 | 案内 | Comments(0)
足下から  :展示会情報
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織りと器と盆栽と、

2016年6月16日(木)〜19日(日)
午前10時〜午後6時
8Kギャラリー A(横浜市金沢区)

安達 健(陶器)
北 鈴子(織り)
古田土 照子(織り)
三村 寛(盆栽、山野草)




僕の中では少し異色の展示会に参加します。

引っ越ししてこの半年住んでいる横浜市磯子区の小山の上。
市民の森の木々の向こうに東京湾とそのまた向こうに房総を見遣るこの地は、数軒だけが一画に集まる戸建住宅地。
偶然にも斜めお向かいは染めや織りを手掛け、たくさんの生徒さんも抱える方、
お向かいには毎朝早くから庭いっぱいの盆栽を世話する方がいらっしゃり、
いずれも父母のような世代の方々ですがその創作の一端を垣間見させていただくと、これが面白い。

いろいろな場面でその作品を拝見するところから始まり、作家としてのご本人を知っていく、
あるいは作家として認識した上で、お付き合いする中その制作背景、暮らしにまで及ぶ、
そんな繋がりはこれまで数多くいただいてきましたが、
今回は生活圏を共にするご近所さんとしての関係から始まる、これまでと全く違ったアプローチでの企画。
僕にはおそらく初めてのかたち。

こういう生き方を選んでいる以上、こういう始まりのかたちも自然なことなのかもしれない。

いつもとは違った期待が膨らんでいます。

横浜は横浜でも南の端。横須賀に隣接した地域に会場はあります。
歴史深い金沢八景駅の目の前のビル。
1階は常時数十種類の焼きたてパンが並ぶベーカリーハウス。2階はカフェ。
店内エレベーターより、その5階です。

安達は全日在廊予定。
ぜひお越しください。
お待ちしています。


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by aji-kyuu | 2016-06-07 10:59 | 案内 | Comments(0)
ホームページリニューアルしました。
ご無沙汰しています。

瞬く間に季節は夏の様相すら呈してきました。

庭先はまさに花盛り。
大きく咲き誇るものから、名も知らぬかそけきものまで。
植物の多様な美しさに目を惹かれるこの頃です。


工房仕事が事実上止まって半年。
引っ越しに伴い閉鎖していたオフィシャルサイトをリニューアルしました。

といっても、同じ安達のサイトを、相も変わらぬ安達自身がタグ打って組み立てているので
大して代わり映えしないかもしれませんが、
以前のものよりほんの少し進化できたのかな。
本人、そうあってほしいと。

作品のページはまだまだこれからですが、
ここまでの活動をアーカイブするページを新設。
数年前まではブログに求めていた雑記の場も、改めて用意しました。

陶器の作家安達健の一端をこのオフィシャルなメディアで垣間見ていただけたら嬉しいです。
引き続き、よろしくお願いします。








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by aji-kyuu | 2016-06-01 16:19 | 案内 | Comments(0)
春を追っ掛け海風背負って
大型連休の足音が迫ってくるこの時期。
以前は大きな大きな益子の陶器市に、荷を満載にした車を時に寝床にしつつ、一週間にわたって参加していたのですが、
あの広場に出展しなくなってから早2年近くとなりました。

そんな今年はひょんなことから、益子在住の建築家で文筆家、町田泰彦さんからのお誘いで
規模は小さく、期間もたったの3日間だけの
言うなれば「陶器市の裏面に位置するイベント」に参加させていただけることになりました。

かの益子町のお隣茂木町を拠点に活動する雨余花さんらが中心となって、今年初めて開催されるこのイベント。
どのような場、どのような時になるのか?
僕にも正直分かりませんが、予定調和な市にはない「何かが有りそう」。そんな気がします。
だから僕は楽しみなのです。




「陶器市からいらっしゃい & Drive Inn Motegi Bar」

開催 / 2016年4月29日[金]ー5月1日[日]
時間 / 11:00 ー 16:00ぐらい
会場 / ドライブイン 茂木・栃木県芳賀郡茂木町町田21

参加陶芸家:
安達 健・徳山久美子・成田真澄・成井窯・二階堂 明弘
参加農家:
大内明美・大越敦夫・生井賢一・生井ソノ子・生井ミイ子
参加料理:
雨余花・黒猫館・キッチン二階堂・Serendip(パン)

問い合わせ / Tel. 0285-81-5006[雨余花]



横浜で焼き上がった新作と、とりあえずのところ思い付ける限りの趣向を、
やっぱり車に詰め込んで、海辺から春の山に走らせて行きます。

久しぶりにお会いできる方もいるかな。

喧騒から離れ、のんびりゆったり過ごしましょうよ。

よろしくお願いします。






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by aji-kyuu | 2016-04-26 21:41 | 案内 | Comments(0)
茶事の向こうに見えるものこと
久方ぶりのご案内です。


少々無理矢理な感は否めないものの、仮の工房で陶器作りを再開して、半月が過ぎました。
やっていることは岐阜の頃とまったくに変わらないわけですが、自然心持ちの違う横浜で
土を叩き、捻り、焼いた器がようやく表に出せることになりました。

今回は以前から参加している勉強会絡みの企画展。


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茶事の器展 生活から茶事の器へ

平成28年4月21日(木)〜25日(月) 会期中無休
10時〜20時
鶴の茶寮(千葉県東金市)


「普段ついつい無意識で済ませてきた事がどうしてこのような状態になっているのか、本来はどうであったか」
を見つめ直そうと立ち上げ、2年半続けてきたうつわ勉強会基と、
全国を飛び回ってきた茶事専門料理人半澤鶴子氏共同企画の今回。
基が取り組む主要テーマである、茶懐石の器の展示会です。

日本料理の最もフォーマルな形式、茶懐石について
資料を漁るところから始まり、造詣の深い方によるレクチャー、ディスカッション、そして茶室や料理店での実体験。
これまで勉強、研究を重ねてきました。
その成果です。


陶器を作ることを生業としている僕らの中には
陶芸という分野における技法や歴史的な部分について熟知する、いわゆる「やきものマニア」たる人が大勢います。
かく言う僕もその一人に含まれるかもしれません。
けれど意外にもそのもう一方の縁にあるはずの食器、器についてをよく解っている人は驚くほどに少ない。

例えばサイズ感。
当たり前のように毎日触れ、使っているものゆえ
セオリーだとか経験的なところから、自ずと知っているような気になっているのだけれど、
はたして本当に解っていると言えるのか。
陶の専門家であると同時に、器の専門家と名乗る以上、そこが気にかかる。

「知っている」と「解っている」との間には天と地ほどに大きな隔たりがある。
それだけは解っているから。

そういったわけで僕は勉強会に参加し、「うつわのスペシャリスト」にならんと、ここ数年努めているのです。


こうした活動に力傾けていると、誤解もされがちですが
作家安達健はけしてお茶や割烹の器に軸足を移そうと図っているわけではなく、
どちらかと云えばむしろその逆で、
家庭の食卓にこそ、今その専門知識や知恵、裏付けを改めてセットアップすることが必要に思われ、
その思いは日毎増してきています。

副題に「生活から茶事の器へ」と付けていただきましたが
本展ではその逆さまアプローチ、茶事から毎日のごはんを見遣るような、そんな視座でもってお越しいただけたら
個人的にはとても嬉しく思うのです。
もちろん、その目に応え得る懐石の器を並べるべく、窯を焚いている今現在です。


会場は東金。
首都圏からは多少距離もありますが、春の小旅行気分で足を伸ばしてもらうだけの価値はある展示会になるかと思います。
当日は半澤鶴子さん調理の点心も¥2,000でいただけます。
盛られるのは僕ら出展者の器。
華美ではないけれど、手と心が十二分に掛けられたお料理をいただけることと思います。
また、庵主半澤さんとお話しするだけでも、何か背すじが伸びるような、胸がすくような、
明日への力をもらえるはずです。

茶寮での展示会ではありますが、お茶に詳しい方もそうでない方も歓迎です。
ご興味持っていただけましたら、ぜひお出掛けください。


*安達健在寮日 4/21(木)、23(土)、25(月)




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by aji-kyuu | 2016-04-14 09:17 | 案内 | Comments(0)
何よりもまずあらためたい
横浜に移って、ひと月が経ちました。

年越しがあって、荷解きがあって、まずはここでの生活を組み立て直す様々があって、
まだひと月!というくらいに盛りだくさんだった日々。

懸念の工房は未だ整っておりませんが、本年最初の企画展への参加です。



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ごはん茶碗と漆のお椀展
2016年2月13日(土)〜2月21日(日)
11:00 – 19:00(最終日17:00終了) *2/17はお休み
knulpAA(東京都練馬区)

愛着あるうつわで食べる食事は美味しい。
食卓を楽しくする企画展第一弾。
まずは和食の基本となるごはん茶碗と漆のお椀をご紹介します。



毎年個展でお世話になっているknulpAAさんでの企画。
もともとは文具を含めた雑貨やインテリアに強みを持っていた店主さんですが、
ここ数年いろいろなご縁から、生の基本にある食や器に興味が向いてきていらっしゃるようで
毎回今昔の食器についてをとりとめなく話し合ったりしています。
満を持しての『食卓を楽しくする企画展第一弾』という今回。
工房移転のタイミングでしたので新作はありませんが、
飯碗担当の一人として定番を数点出品させていただきます。

僕自身、幾度かに分けた引っ越し作業の中で、最後に閉じ最初に開けたダンボールは衣服と食器のものでした。
場所が変われど、使い続けた器は体の一部のように離しがたく、使い直せばやはり心地良いもの。
逆に言えば、心機一転を狙って器を新調することは、引っ越しにも匹敵する変化を及ぼすのかもしれません。
とりわけ日本文化では属人器としての意味合いが根強い飯碗、汁椀。
我が暮らしを省みてみる意味でも、この展示会は良き機会になることと思います。

ぜひお出掛けください。


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by aji-kyuu | 2016-02-02 17:46 | 案内 | Comments(0)
最後を末永く
すでに始まってしまいましたが、遅ればせながらの大切な展示会のご案内です。


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ギャラリーくれい last exhibition
永く使えるカップ展

2015年11月14日(土) − 12月7日(月)
11時 − 17時

ギャラリーくれい(愛知県瀬戸市)

【出展】
安達健 阿部未来 一久堂 栂尾しづく (以上運営メンバー)
阿部恵里 上松香織 大澤奈津子 岡山富男 伊藤千穂 大森健司 加藤輝雄
河内啓 熊本充子 クロノユキコ 小林由依 柴田礼美 白石陽一 白木千華
城田渚 新道工房 鈴木ツギオ 鈴木はづ 高橋奈美 田村文宏 豊島Pさとこ 野口淳 野田里美
野村晃子 野村絵梨花 野村佳代 長谷川由香 一星(ガラス) 深谷仁美(ガラス)
堀江まや 前田薫(ガラス) 道川省三 望月万里 安江洋 羊歌窯 横田和憲 渡邊亜紗子
お菓子作家 dolcemente(a)



このブログでも幾度も展示会のご案内をしてきたかと思いますが、
僕安達が作家仲間と運営してきたギャラリーを、本年末を持って閉店することにいたしました。

皆で悩みに悩んだ末の決断。
その最後に相応しい、大きく、濃い内容の展示会を企画。本日より開催しています。

これまで30年余に及ぶギャラリーの運営に携わってきた方々。
これまで数々の企画にご協力してきてくださった方々。
全国あちこちの作家へお声掛けをして、総勢42組の展示が実現しました。


以下は、僕の中で大きな意味を成した場であった、ここでの最後の展示会に際して
会場でも掲示させていただいているテキストを引用させていただきます。

いつもながら長文ではありますが、お店へお越しいただく前にお読みいただけると幸いです。



ギャラリーくれいは僕にとってどんなところだったのか。

そもそもくれいの成り立ちが一般的なお店と大きく異なるのは確かなことです。
作家たちが自ら共同で立ち上げ、運営してきたギャラリーショップ。
例えば、所在するその土地に根差したお店だったり、
あるいはオーナーの一定の思想信条、価値観に裏打ちされたお店だったり、
たいていの場合、お店というところはそのいずれかに立脚するものです。
売り手と買い手の真ん中に建てられるものが「お店」とするなら、当然その間を取り持つ理解が必要で、
それにはおよそ2パターンあるのです。
ただし当のくれいは、そのいずれにも該当しないように思っています。

くれいはもちろん、瀬戸というやきものの町に在り、そこでやきものを売っています。
また、作家というある種独特の考え方で生きる人々によって長く運営されています。
その意味では2つともの要素を十分に含んではいるでしょう。
けれどくれいの本質は、それらを軸にしていません。

言うなればくれいは、人と人との関係に深々と拠っています。
実際には生まれも育ちも異なる他所者同士で、価値観も制作スタイルも違った作家たちが
それぞれにひょんなことから集い、縁を結び、
人間として関われるかどうかという一点においてのみ繋がって、お店という形を成しています。
それは広義の「家」のような存在かもしれません。
ゆえに本展のように、地域もカラーも富に富んだバラエティが実現するのです。

インターネット周辺で紡がれ、より深く、より細かに関係が区分けされる現代において、
いわば後進的だし、合理性には乏しいように思われるそういったくれいの繋がり方は
むしろ今になってとても貴重で、とても大切なことのようにも思っています。

個人でものを作るという意味において「オリジナリティ」が最も重要視される中で、
「違うなあ」と思わざるをえない人々と、強制される理由もないままに、
切り分けるのではなくあえて関わり、おぼろげにでも何らかの共有できる解を編み出していくということ。
その努力。
そしてその面白さ。

作家として第一歩を踏み出したここで、そういう機会に恵まれたことに
今僕は感謝しています。


もの作りは結局のところコミュニケーション活動です。
自己が他者と交わる術として、太古より積まれた営為です。
そのことの困難と喜びを、体温と人間臭さのうちに味わわせてくれたのが
僕にとってのギャラリーくれいでした。


くれいがなくなってしまうのは時代の情勢からして致し方無いのかもしれませんが、
こういった雑多にして豊穣な繋がりの場はきっと未来にも必要だと思いますし、
わざわざ声高にならずとも、時が来ればそれこそ自然な形でまた立ち上がるものだと信じています。
今回の決断が、いつか起こりうるその新たな誕生の端緒となってくれたなら、
そう願って、ギャラリーくれいを一区切りさせていただきます。

長らくのご愛顧、本当にありがとうございました。



会期中、僕安達の在廊は
14(土)、15(日)、22(日)、12/5(土)

くれいについてもいろいろお話しできると嬉しいです。
よろしくお願いします。
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by aji-kyuu | 2015-11-14 21:21 | 案内 | Comments(0)