<   2009年 07月 ( 8 )   > この月の画像一覧
僕を作ってきた作家たち・11  あるいは茶室と車室
b0156116_21424090.jpg茄子やらピーマンやら、じゃが芋やら

ここのところの課題。
季節ものの頂き物を、どう工夫して料理するか。

有り難いことなので、悪くせずに食べきりたい。
とはいえ同じものが続くのもきつい。

で、我が家にはフォークもないのに
パスタ。
最近は庭にハーブがあるので(どれが何かは分からなくなったけども)、プラスαできています。




赤土+白化粧+長石釉  鉢



唐突ですが、

ここしばらく、「おもてなし」ということをよく考えている。

今月、珍しくお客さんの訪問がたて続いて、
自分以外のためにコーヒーを入れたり、お酒のアテを作ってみたり
お昼を用意したり‥

せっかく縁あっていらしてくれるのだから、心地よくすごして欲しいし
気分よく帰ってもらいたい。

と思えど、過ぎた窮屈さもいただけない。


そんな折、そういった「もてなし」をキイワードにしたプロジェクトに関わることになって
一層思考は飛躍していくのです。


つきなみだけど、
一期一会
直心のまじわり



話が逸れるようですが
茶聖、千利休を思います。


史上の人なので、彼に直接的な影響を受けたわけではもちろんないけども、
ある時期、文献を読みあさっていく中で僕のうちにできた“利休”は
間違いなく僕を作る上での重要人物。

アンディー・ウォーホールや村上隆を作家と言ってしまうなら
千利休もまぎれもない大作家。


そんな利休が目指した「もてなし」の空間としての茶室を思う時、
僕はいつも自動車内の空間を繋げます。


茶の湯というセレモニーを媒介に、あらゆる社会的立場をほぼフラットに均された人と人が
ぎりぎりの距離感の中で時間を共する。

リラックスと緊張のはざまで、亭主と客あるいは客同士おそらく会話は弾んだことだろうと思う。




この、ちょっと引いてみれば奇妙な状況、車に誰かと同乗する時に似ていませんか?


目的地に向かう移動手段のはずが、ときにメインになっていたりもするドライブ。

運転席と助手席は、狭い空間の中で異常に近いのにもかかわらず
互いが向かう先を見ているためか、視界がほぼ全面窓ガラスであるためか
不思議なリラックス感もあり、
いつもよりなんだかしゃべれてしまうもの。

そんな経験、誰でもあるはず。


思い起こせば、

それまで二人きりで話すことはもちろん
顔を突き合わせてまともにしゃべることなんかなかった人を、
あまり考えもせず車での移動に付き合わせてしまったある時
当日になって、いやに緊張したものの、
一時間以上だったか、さして意識せずとも会話していた。
(内容は覚えていないし、話が弾んでいたかはともかくも。)

その時、僕の脳裏に利休の二畳半茶室が浮かんだものでした。



アッバス・キアロスタミの映画『10話』も
思えば車のそういう機能を存分に利用した作でした。

ああして、利休もコミュニケーションを図っていたのかな。





にしても、おもてなしって難しいですよね。
単なるサービスじゃあなくて。

こちらが亭主である場合なおのこと。
[PR]
by aji-kyuu | 2009-07-30 23:10 | 考える | Comments(0)
僕を作ってきた作家達・10 —King of Popに捧ぐ—
あれだけ世界を揺るがした訃報もない
と思いつつも、
いくらかほとぼりが冷めてきたように感じるこの頃なので

書いてみることにしました。

" The True King of Pop, Rock And Soul"、マイケル・ジャクソンについて。



6月25日。

彼の死を移動中の車で聞いたとき、「嘘だろ嘘だろ」とボリュームを上げつつ
僕は
なんだか心に隙間が拡がっていくような、妙な喪失感に襲われました。


彼の熱心なファンでもないし、これまで特に意識してきた人ではなかったのに‥
そんな自分の反応に動揺すらしました。

あの日、
おそらく全世界中で僕と同じように不思議な心持ちを覚えた人が五万といたことだと思う。
それくらいに、彼は「時の人」でした。



そして手繰る、僕の中のマイケル・ジャクソン。

小学生の、たしか低学年。
盆に正月に家族で訪ねていた祖父母の田舎で同居する叔父に観せてもらったレーザーディスク。
その中にマイケルのものがあった。

『Thriller』のショートフィルムだったのだろうか。
(実際なんであったか、あれ以来観ていないのでさだかではない。)

少年のマイケルが煙幕から出てくると青年になっていたり、
彼の影がみるみるスポーツカーのものへ変身したり、
錆び付いた工場跡で何十人も揃えてダンスしていたり。

薄暗くて、ギラついていて、
泥臭くセンシティブ。


まだまだコワッパの当時の僕にとって、それは凄まじく鮮烈な映像で、とにかく深く刻まれた記憶。
あれ以降一度も観返していないのも、思えば恐さが先立って避けていたということだったのかもしれない。
にも関わらず、パートパートは鮮明によみがえるのだから、よほどの映像体験だったわけで。



今にして、
これまでの最も濃い時間を費やしてきた「映画」というメディアへの興味は
この時おぼろげに自覚された。
そう言ってもいいのかな。



次に彼と再会したのは中学生になってから。

その頃リリースされた『Histry』というベスト盤を仲間うちで回し聴いたっけ。
スティービー・ワンダーやサイモン&ガーファンクルら“洋楽”にかぶれながらも
ほぼ初めてまともに聴いた彼の音楽。

やっぱりカッコ良かった。

小さなCDラジカセで何度もリピートかけた。






マイケル・ジャクソン。
曲がりなりにも、
彼と同じ時代に生きられたことに感謝。

有り難う。
[PR]
by aji-kyuu | 2009-07-28 22:17 | 観る | Comments(0)
Smile,please.
b0156116_2152309.jpg数日前、雨雨雨で沈滞する気分を変えてやろうと
ドーナツ揚げてみました。
手軽においしくできるものなんですね。

あっけなくてちょいともの足りなかったけども、
サクッふわに免じて。


ともあれやっぱりこの器には焼き菓子とかも合うよなあ。


白土+灰釉  五寸皿



話は飛んで

今日は午後から諸用でトラックを借りに。


ありふれた町の大手レンタカー屋さん。
そこで接客してくれた制服の店員さん。


それはそれはとてもいい笑顔をしてくれる方で、
営業スマイルと知りつつも
その屈託のなさに思わずつられてこちらも笑顔に。

僕といくらも違わないであろう彼女には
接客以前、たぶん人としてずば抜けたコミュニケーション力を持っているのだろうな。
あの対応、頭でできるものじゃない。

返却時、見送りに出てきてくれた彼女の表情と小気味のいい声は
一日の疲れをひょいと軽くしてくれました。

ごく自然に
「ありがとう」と口をついて出る。




翻って、
そんな僕はちょっと気を緩めると
怒っていたりふて腐れているように見えるらしく、
ガラスに映る自分をふいに見止めて、ぎょっとすることすらあるのです。

せめてたまの人と会う機会くらい、と
気遣ってみたりするのですが、
すると後々、とんでもなく疲れる始末。



今日の素敵な方のように、ただそれだけで誰かをわずかなりとも幸せにできるような
そんな表情(そしてそれはおそらく内から滲み出すものであるわけで)に
僕もいつかなれる日が来るのだろうか。
[PR]
by aji-kyuu | 2009-07-23 22:40 | その他 | Comments(0)
湯にすくむ
b0156116_23164668.jpg
 もう
 一日、さした運動していなくても
 夕方にはべたべたべたべた。            

 お風呂に入らずにはいられないこのところ。





 
 そんな僕は小さな頃からお風呂好き。

 湯に浸かること。

 旅行先の温泉ともなれば、夕食前夕食後、早朝。
 何度も、時間かけて。



高校2年生の学校祭でのクラステーマ。
一人、“温泉”という提案をして
いろんな角度から魅力を語りつくし
口車で粘りに粘り、最終候補まで残した記憶も。

東京の片田舎に下宿していた頃は、ユニットバスではもの足りず
月に一度は近所の銭湯に通いました。




お風呂って本当に素晴らしい、誇るべき文化だと思うのです。




と、いいつつ
実は我が家はシャワーしか使えません。

古い家なのでちゃんとした飾りタイル張りの風呂場はあり、
浴槽もあるにはあるのですが‥
とある事情でこれを使えず。
新しいバスタブに替えたくとも、壁を抜かないかぎりは入れられそうもない。

そんなわけで泣く泣く毎晩シャワーのみ。


幸いにして、すぐ近くのショッピングモールには銭湯(天然温泉!)があるのだけれど、
これが恐ろしいお値段。
しぶしぶ、年数回に我慢しています。


自分で露天風呂でも作ろうかなあ。
大きな庭石は転がってるから、それ組んで。

あるいは五右衛門?




そんな夢想はおいといて
とりあえず、シャワー浴びてきます。
[PR]
by aji-kyuu | 2009-07-20 23:52 | その他 | Comments(0)
補足
江戸時代、諸国を行商して渡り活躍した近江の商人らの精神。


三方よし


「売り手よし、買い手よし」はもちろん、

「世間よし」だそうな。



さすがです。




b0156116_21472984.jpg







 今日間引いた大根。
 辛かったー
[PR]
by aji-kyuu | 2009-07-16 21:50 | 考える | Comments(0)
お金の使い方
b0156116_20453333.jpg
スーパーで見つけたまるまると太ったイワシ。

ちょうど食欲も停滞気味のこの頃なので
酢で煮て、冷やして、畑の恵みたちと合わせてみました。





赤土+白化粧+長石釉  片口碗



ずっと以前から、思いはすれど上手く言葉に結べなかった事柄があったのだけれど、
先日読んでいた本にピタリくる文言に出逢った。



かねてから“安い”ものを選ぶことにすんなり飲み下せない違和感を覚えていた。

“安い”の裏側にある諸々を考えると、申し訳なさが首をもたげる。


とある本の中で
「経済で買う」か「思想で買う」か
そう問われた時、僕は即答した。

経済的余裕を得た上での選択、なんていう前置きは無視して。

現実、経済力はまるで無い自分ではあるけれど
極力「思想」で買おうという意識は働いているようで、
端からすれば「なんでそこにカネかける?」なんてこともしばしば。


現行のシステムからしたら、そんな基軸でものを買うこと自体
錯誤的で、“得”をうるという意味において時流を逸してるのかもしれないけれど

本当はそうすべきだ、と多分誰もが気付いている。


僕は思想で買う。
思いと想いを買いたい。

翻って

僕は思想で作り、思想で売る。


だから
お客さんが買うと決めてくれた時点、お金の介在する以前に、
僕のもの作りは完遂しているのだと思う。



どうやらこれが意外と理想論に終わらないようなのです。
[PR]
by aji-kyuu | 2009-07-14 21:21 | 考える | Comments(0)
戴きました。
b0156116_22514366.jpg草木のエネルギーが空気中に漏れ出しているかのような季節ですね。


そんなこっともあってかここのところ我が家はおすそ分けにあずかってばかり。

先日じゃが芋をどっさりともらったので珍しくポテトサラダに。
マヨネーズは普段ほとんど使わないのだけれど。


赤土+長石釉 鉢


戴きものリスト。
アンズのジャムに野苺ジャム。
魚に胡瓜、ピーマン・玉葱、茄子とにんにく。
焼酎・ビールに、ハーブも株分け。
使い切れるのか不安なくらいの充実ぷり。

本当に有り難いことです。

僕ばかりか
台所までも心なしか沸き立って感じられます。


そして、
うちの畑でも緑が泡立っているのです。

例えば今朝は小松菜を初収穫。
ほんのひと株炒めてみました。

大根は葉を伸ばしてきたし、
大豆にいたっては膝を越える高さにわいわい茂って
小さな花も付いています。

そんな作物に負けず劣らず雑草も
刈っても刈っても刈っても刈っても。


生命がたぎっています。



そのエネルギーのかけらを今日も

いただきます。
[PR]
by aji-kyuu | 2009-07-11 23:22 | 食べる | Comments(0)
ここ一週間くらいのうちに“数年ぶりの思い掛けない再会”と“起こるべくして起こった再会”とがあって
とにかくもう心が揺れた。

人と人の繋がりの不思議を思う。

出合い頭のようでいて、多分縁により結ばれている僕ら。



以前から一転、人と会わない生活となり
その一方、器を自ら手売りするようにもなり

出会いと繋がりの妙を余計意識するようになった。



僕にとっていつまで経っても困難で恐怖をともなうコミュニケーションの
脆く儚くも、確かなきらめき。

その小さな小さな光が少しずつ少しずつ、前方を照らしてくれるのだという実感。


沢山の光の束を掲げてゆくのは下手くそだけど、
一つまた一つをそうっと両の手に包んで、とつとつ歩けたらいいな。
[PR]
by aji-kyuu | 2009-07-05 23:36 | 考える | Comments(0)