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器のオーナーとなる方へ。
使ってこそ、器。


いろいろとご意見もいただきますが
僕の作る器も、道具です。
使うために、使うことを考えて大真面目に作っています。

陶を殺さずに、呼吸する隙を空けておくようなつもりで仕上げておりますので、
一食、また一食と使い込むごとに変化してゆきます。

色みはもちろん、器肌が滑らかになったり、強度だって増していきます。

使用前に水や湯に通すとか、洗浄後はよく乾かすとか、
ほんの少し手間がかかりはしますが
それも使い込むにつれ、ほとんど必要なくなってきたりします。

電子レンジや食洗機にも耐える丈夫な子に、自然育ってくるはずです。


ご購入いただいてすぐは、それこそ初めての関係。
向こうの良いところ、良くないところも表面的にしか知らないから
ちょっとギクシャクして、慎重な探り合い。
けれど一年もすれば、見なくてもその器の大きさ、深さをイメージできるし
どこをどう持って運ぶのが良いか、とか
どこに口を付けて飲むのが一番心地良いか、とか
考えなくても自分の手や口と器が勝手にそうなってくれている。
あうんの信頼関係ができあがるものです。

だからどうかそれまで、多少の面倒臭さは当たり前としてお付き合いしてやってください。


ただし人と同じで、器とオーナーの関係にもマンネリがやってきます。

決まってカレー
カボチャを煮たらこれ

などなど。
対面の関係は時に広がりを失って、「安心感はあるけれどつまらない」ものへと。

そんな時は、料理本や雑誌などの写真から新しいアイディアを得たり、
思い切って友人にその器を使ってもらいましょう。料理込みで。

え、それにそれ?
あっちの方がいいのに‥

そう思っても、黙って受け入れて、食べて。


器って本当にいろいろな使い方があるのです。
器のうつわは実のところ結構広くて、だからこそ楽しい。



そんな器を、そんな使い方とともに提案する展示会が間もなく始まります。


器と料理

「想いのカタチ」 展
陶ISM selection@益子



2011年9月3日(土)〜9月11日(日)
10:00〜17:00 会期中無休

やまに大塚・ギャラリー緑陶里  HP
〒321-4218 栃木県芳賀郡益子町城内坂88


企画/陶ISM(企画担当:寺村光輔)

出展作家/
二階堂明弘  寺村光輔  安達健  伊藤千穂  兼行誠吾  北川チカ
鈴木美汐  苫米地正樹  八田亨  服部竜也  林拓児  前田直紀  宮澤有斗

料理家/山戸ユカ

写真家/宮濱祐美子


詳細





b0156116_23211796.jpg頂き物の徳島の手延べそうめん。

灰〆シリーズの新作、八寸角鉢にこれがなかなか合う。

適度に水分を吸ってくれる器なので、
最後のひとすくいまで、水っぽくなく食べられる。





こちらの器も展示会に少量ながら出展します。



また、僕のこのシリーズの角ものが、料理家山戸ユカさんにかかるとどうなるか。
これにも、乞うご期待。

僕自身にも新鮮な使い方。

その節はありがとうございました。
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by aji-kyuu | 2011-08-29 23:33 | 食べる | Comments(0)
すべてはひとと場のために
栃木県益子町でのすてきな企画に参加させていただきます。


b0156116_2292877.jpg器と料理

「想いのカタチ」 展
陶ISM selection@益子



やさしい味を引き立てたくて
おいしい笑顔に会いたくて
器は 料理は
幸せを想う人の手から
日ごと 生まれてゆく。
作家と料理家の
想いのカタチ。
器と写真で魅せる
ほがらかな食卓の風景。





2011年9月3日(土)〜9月11日(日)
10:00〜17:00 会期中無休

やまに大塚・ギャラリー緑陶里  HP
〒321-4218 栃木県芳賀郡益子町城内坂88



企画/陶ISM(企画担当:寺村光輔)

出展作家/
二階堂明弘  寺村光輔  安達健  伊藤千穂  兼行誠吾  北川チカ
鈴木美汐  苫米地正樹  八田亨  服部竜也  林拓児  前田直紀  宮澤有斗

料理家/山戸ユカ
1976年東京生まれ。身近な素材でおいしく作れる玄米菜食やアウトドア料理を得意とする。アウトドアユニット「noyama」としても活動中。
著書に『山戸家の野菜ごはん』、共著に『つながる外ごはん』など。

写真家/宮濱祐美子
1976年仙台生まれ。料理、インテリア、雑貨、旅を中心としたナチュラルで佇まいのある写真に定評がある。
雑誌「リンネル」、「Come home!」、「ナチュリラ」の他、料理やインテリアの書籍で活躍。

DM/田辺智子(デザイン)  えなさいこ(文)



益子の作家、寺村光輔さんが長く温めてきたという企画。
地のやきものに根ざしたまっとうな器作りをされる方で、お人柄もそのものなのだけれど
いつも目の奥には静かに、熱く滾るものがある。
益子の陶器市からのご縁で、そんな寺村さんにお誘いいただき、このたび参加します。

内容は正直とりたてて真新しい印象は受けないけれど、
あらためて今日まで、このための準備に関わってきて心から思うのは
食卓って本当に大切で有り難い場なのだ、ということ。


先日の、作品とともに展示される写真の撮影日。
自分の器にプロが盛り、撮影してくださるという願ってもない機会だったので遥々上京したわけですが、
あの日けして広くはない台所で、山戸さんが夏なのにむしろ心地良いくらいの熱気と湿気を放って繰り出し続けた料理の数々と、
その料理の盛られた姿に、場に、惚れ込むようにして、逃すことなくとどめておこうとシャッターを切り続けた宮濱さん。

「食卓」というところが文字どおり舞台となって(その日撮影はほぼすべて山戸家の食卓で行われた)、その上に二人の気持ちが集中していく様はとても刺激的で、
端から見ているだけでもいい経験となりました。


ああいった、空間と時間がともに充実して出現する場というのは、食の現場に限ってのものではないのかもしれませんが
「その時その素材に合わせて」という山戸さんの料理スタイルや、
フィルムにこだわって、なおかつ手持ちも多用した宮濱さんの姿勢を見るにつけ
やっぱり、そうさせる食卓の魅力を思わずにはいられません。



輪郭の採りようがない様々な想いに、
一時的とはいえひとつのカタチを与える、その舞台。

日ごと生まれては消えゆく儚くも確かなその場に
器として役を得られることの幸せと
唯一形を失わず、在り続けるものとしての責任を
今一度感じながら、今回の展示会にのぞみます。




初日の9/3(土)は、遠方組も含め何人もの出展者が在廊予定。
山戸さん特製のドリンクも用意されるとか。

もちろん僕もその日一日会場におります。


お近くの方、そうでない方もどうぞよろしくお願いします。
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by aji-kyuu | 2011-08-25 01:40 | 案内 | Comments(2)
違う、というその豊かさ
瞬く間の夏。


京都の山奥「山ノ上マーケット」からすでに一週間以上経過してしまっていました。

お越し下さいました皆様、遅ればせながら有り難うございました。


アクセスに少々ご不便をおかけしたかと思いますが
道中も含めてこそ旅の楽しみとするなら、とても満足していただける一日となったのではないでしょうか。

かくいう僕も、行き帰りでの移動中寄り道したり、足を伸ばしたりできたこと、
その先での人や景色との出会いなどをひっくるめて
今年もまた、本当にいいイベントとなりました。


もちろん本編「マーケット」での新しい方々との関わりは、これからの長い先々で生きてくることでしょう。

こういうのが好きなんだ、と器を買ってくださった方の目の輝きを間近で見、
そうかそんなにか、といつしか「当たり前」になりつつある自分のもの作りの根を確かめたり

先を行く諸先輩方のやり方、生き方を目の当たりにして自分のゆく先に目を細めたり

物理的にも精神的にも離れていたばかりか、これまで交差することのなかった同世代の中に
同じ時代をもがいているいち人間としての共感覚と、
その発露の多様を、この目耳肌で感じることができました。


バラバラなところでバラバラなことをしているありとあらゆる作家、経営者、お客さん、あるいはそういった立場をも超えた人々が
なんらかの縁でああして集まって、一つの場を築く。

その豊かさへ、深く感謝しています。




高原の夜はやっぱり涼しく、こちらへ戻ってげんなりです。



b0156116_21123892.jpgそんなおり、
この春長野の有機農園で働き始めた姉夫婦より野菜セットが届きました。


美味しいのは言うまでもなく
何より「違う」ということ。


トマトとかカボチャとか小松菜とか、
これまで食べてきた野菜とは
明らかにちがった味わい。
もっと言えば、ちがった茹だり具合、火の通り加減、塩みの入り方。

これには正直驚きました。



思い出すのは先日、縁あって立ち会わせていただいた料理家さんの台所すがたと、その言葉。
「その時期、その場、そのものによって、分量も手順も変わるのが当然」。

何をどれだけ入れたかなんてその日その時かぎり
とでもいうようなとても人間らしいその料理に(そのシーンに?)、この上ない贅を感じたものでした。





違いに目くじらをたてるでなく、
違いに嬉々とできるような、
そんな作家であれたらと思う。
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by aji-kyuu | 2011-08-16 21:40 | 考える | Comments(3)