雨と
b0156116_21265365.jpg起きてみると、
ざんざん降りの雨。
どこにそんなに?
てなくらいに、一日中強く鳴っていた雨も
この時間になってようやく落ち着いた様子。

先日と、今日と
日ごと、雨と空気のぬるさへズレを感じることもなくなってきました。


雨。
映像時代、執拗に扱っていたモチーフ。
昔からなんだか好きな雨の日。

その雫が立てる、規則不規則どちらともつかない音々の演出する“静けさ”
降ってくるのか立ち上ってくるのか、空気に厚みと弾力をもたせる“湿りけ”

妙に凪いだ気分。



けぶる家並みや田畑を眺めつつ、今日は作業場でひたすら仕上げ。
益子陶器市で並ぶ予定の器ひとつひとつに紙やすりをかけて、かけて、かけて。
指はふやけて指紋も薄れつつ、続けざまのために手首痛めつつ。

この単純作業。

それでも焼き上がった自分の器を最も凝視する貴重な時間にして
かつ、手の動き以上に頭も勝手気侭の思考を忙しく巡らす、そういう時間。



仕上げ作業も、もう一息。
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# by aji-kyuu | 2009-04-21 22:29 | その他 | Comments(0)
隠せばスマート
b0156116_2110482.jpgここ一週間くらい毎日のご飯は炊飯器でなく土鍋で炊いている。
とりたてて深い理由があったわけでもないけれど
電気のこないところで米を炊きたくなったら‥なんてわけで。

すると、ひと碗の中にすらいろいろな食感を楽しめることに気付いた。
またひとつ扉が開いて世界が拡がる。

ちなみにこの土鍋は今住んでいる借家に残されていたもの。
古いものなのかな。
とてもよい。


いやね、できる限り電気使わない生活できないものか、とも思ってみたりするのです。

別段、節約とかエコとかそういったことではなくて。
電気エネルギーの“見えなさ”を考えると、羽虫一匹くらい微かなものではあるけれど
いい知れない危機感が這い上がってくるから。


「オール電化!」
これに僕、大反対です。
とはいえ「ガスの得意は‥」なんて言いたいわけでもない。
そんな縄張り争い、見るに堪えない。

ただ、生活から炎を消してはいけない、と。
その一心。

確かに炎の扱いにはそれなりの気遣いが要る。
電気の方が消費熱量をおさえられ、結果CO2排出削減も数字上かなうのかもしれない。

でも、それでいいのだろうか。


ナイフで鉛筆を削れない子供。
炎で煮炊きのできない子供。

ナイフの扱いを知らない子供。
炎の扱いを知らない子供。

それこそ悪夢。


一度は火傷もすればいい。
ナイフで指でも切ればいい。
山で漆にかぶれたり、ブヨに刺されて腕腫らし
海で溺れて、クラゲにさされ
イタドリかじって腹壊し、
人を殴って手を痛め、
茶碗落として割ればいい。

危険を知る者はそれを避けたり遠ざけたりできる。
では知らない者は?


火は電気に変換。
ナイフは機械内部に閉じ込める。
森を公園に伐り残し
海をプールに囲い込む。

知る以前に
見えない触れない聞こえない感じられない。

そこから想像なんてできるわけもなく。


ecoどころか
「地球ってなんだっけ?」
そんな日がこないとも限らない。



それからもうひとつ。

プリペイド?クレジット?
お金を隠すなんて。
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# by aji-kyuu | 2009-04-18 22:43 | 考える | Comments(0)
悔しくて悔しくて
b0156116_21211664.jpgちょっといくらなんでも早すぎるよなあと思いつつ

冷や奴。



本当に有り難い、知恵の結実
豆腐。
生かしてもらっています。


赤土+長石釉 平碗  


ここ数日
嫌で嫌で仕方ないのだけれど、そう思うほどに付いて回る“数字”のあれこれに
掻き乱されて挫かれて。

そんな数字などふられたくないし、まして数字で見られたくもないのに
日常的に、なんら悪びれることもなくどこか挨拶のようですらある調子でその数字を投げてくる人。

何をはかっているつもりなのか、何をはかれると思っているのか
あたかもそれが絶対的に信頼のおける普遍のものさしかのように振り回されるのは我慢ならない。



なんとか自分自身抑え込むために
また今晩もほんのわずかなお酒を。

つまるところは、悔しいのです。
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# by aji-kyuu | 2009-04-16 21:58 | 考える | Comments(0)
僕を作ってきた作家達・7
b0156116_17101652.jpg
今朝、大根の花が咲いているのに気付いた。

台所の窓辺で、水を張ったお皿に浮かべておいた大根のあたま。
葉がわさわさ繁るのを期待したものの、中心から一本の茎が伸び続けるだけで
しばし見放してしまっていたところに、思いがけず小さな黄色い花がついた。


と、ここまでは良かった。


写真に撮って数時間後、昼時にふと見ると
花を付けた先からくたりと折れている。
小さいながらも活き活きと生を主張してみえたそれが
まるで魂を抜き取られたかのように‥

その昔、写真機の黎明期。
写真に撮られると魂が抜かれる、と本気で怖れる人らがいたという。

いや、まさかね。



そんなことにちらと心がささめくのを覚えながら
以前使っていたNIKONのフィルムカメラを久々に眺めてみた。

映像を志して大学へ通ったその前半期。
学外では仲間と映画作りに、学内ではもっぱら写真について学んでいた。
ピンホールからモノクロ現像、カラープリントまで
自ら選択して、それなりの熱意とその手段への根拠ない信用を注ぎ込んでいた。
「とにかく数を撮れ」といった方針に反発しながらも
今ふりかえってみると、先の道筋をみつけた思いだったのかもしれない。

だから自然、写真の展覧会へは積極的に出向いたし写真史も掘り返した。

その両方からぶち当たり、結果僕を写真から遠ざけた写真家がいる。
中平卓馬
60〜70年代の日本写真界を批評の面からも解体し、再構築しようとした小さな巨人。
伝説の人。


彼の大回顧展が横浜美術館で開かれた。(「原点復帰—横浜 中平卓馬展」2003年)

そこで目撃した記憶喪失直前期の一連の“図鑑”的写真群や近年の気負いないカラープリント、
そしてなにより天井から床まで印画紙を裸で何十枚と連ね壁一面を覆った展示に愕然とし、
なおかつその際購入した「なぜ、植物図鑑か?」等の評論集に深くまで届くボディブローを見舞われ、
僕の軸脚は写真から離れた。
もっと言えば、逃げた。



何年経てもなお、中平卓馬という人とフィルムカメラは僕の内に敗北感を仄めかせる。
それに今気付く。

とはいえ、何年ぶりかに開く彼の写真論集は(もとより発行は1973年!)それでも褪せずに響く言葉が詰まっていて
現在の僕の仕事とリンクして読めてしまうことも事実。


無機と有機のあいだ
鉱物と動物のあいだ
そのあいだに曖昧な輪郭でもって生まれてくるはずのもの。
それは多分僕のいう“あじのひもの”や“きゅうりのつけもの”とほとんど見事に重なる。


どうやら一周回ってきたようです。
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# by aji-kyuu | 2009-04-09 18:59 | 観る | Comments(0)
春色益子陶器市
春色益子陶器市
2009年4月29日(水・祝)〜5月6日(水・祝)
10:00頃〜17:00頃




今年も栃木県の窯業地、益子で行われる陶器市に出店することになりました。
その詳細です。

益子陶器市は毎年春と秋に一回ずつ開かれる、日本有数規模の即売イベントです。
“民芸”で名高い益子町の目抜き通りと周辺施設を会場に、数えきれないテントが軒を連ねて
主に陶磁器の販売をします。
窯元さんの叩き売りイメージが強い方もいるかと思いますが、
各地で個展をするような作家のものもかなり多く、最近では陶磁器のみならず木や鉄、革などの出店もあり、エリアによってはクラフトフェアの様相もみられます。
出店数が非常に多いため、一日二日で回るのはまず不可能。
エリアを絞るか目当てを絞ってじっくり回ることをオススメします。

また「北関東というより南東北」といった山深い町を想像しがちですが、
お洒落なカフェやお菓子屋、雑貨屋も少なくないですし、
わざわざ東京から足を運ぶ人もいるようなギャラリーや企画スペースもあって、
祭期間というのを差し引いても、町にあふれる活気を感じます。

作り手はもちろん、全国から感性の強い人達が集まり活動拠点としつつある、ちょっと不思議な土地です。


さてそんななか僕は陶芸メッセ・益子という施設の遺跡広場というエリアに出店します。
この場所、メインストリートから坂や階段を上がり切った、おそらく会場最高地。
芝生に腰掛け程度の岩が点在する広場で、眺めは良いし風も心地良い、知る人ぞ知る“ランチスポット”です。
出店者は益子周辺在住の若手作家を中心に愛知や岐阜など全国から集まる、陶器市の中でもどこか異質な雰囲気のエリアで、
客足の絶えない通りとはまったく違ったのんびりした空気が漂っているかと思います。
おかげでゆっくり回れますし、出店者との会話もしやすく、なにより僕の性に合う
そんな広場です。

僕のテントは円形になった出店エリアの一番外側。
目印は紺のテントに宇治のお茶箱
定番とともにこれから窯に入れる新作のものや、現在試験を重ねているものなど並べる予定です。


東京からでも電車や車、交通の便はお世辞にもいいとは言えない益子ですが、
季節も春です。
僕の大好きな大谷石採石場や日光東照宮、温泉なんかも合わせたりして、ぜひいらしてください。

お越しいただいた際はお気軽にお声をかけてくださいね。
どうぞよろしくお願いします。



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# by aji-kyuu | 2009-04-03 00:24 | 案内 | Comments(4)