コトの真ん中の永続性
初夏のような、いや初夏か。

とにかく爽やかな天気が続いていますこのところ。

少しずつ少しずつ、気温以上に湿度が増して、
梅雨へと傾いていく時期ではありますが
この数年、恒例で開催させていただいているイベントを今年も企画しています。


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ユノネホウボウ2015
—やきものとその周辺—


2015年6月5日(金)、6日(土)、7日(日)
10時〜17時 小雨決行
Mパークと末広商店街ニコニコ広場(愛知県瀬戸市街地)
オフィシャルサイト


せとものの街をつらぬく川沿いにて、東海圏(愛知・岐阜・三重・静岡)のやきもの作家44組が集まり、
『工房から伝えよう』を合い言葉に、仕事場から持ち寄ったそれぞれの今を発信します。
見て、ふれて、知って、さがして、楽しんで…
初夏の空の下、作り手と使い手を結び深める3日間、ぜひお越しください。





2011年に立ち上げて、ここまで5年間主催し続けてきたイベント、ユノネホウボウ

作家が中心となって、その自らの活動と活動環境の向上を指向して発起し、すでに4年を重ね、
大きくも目覚ましい結果はいまだ得られていないものの、
着実にその成果を積み上げてきていると自負しています。

これまで、毎年その開催に際して僕個人の思いや考えを色々な言葉で書き付けてきました。
今読み返しても、一縷の気恥ずかしさはあるもののそこに述べていることについて大方変化はありません。

ユノネホウボウ2014
ユノネホウボウ2013
ユノネホウボウ2012

ですので今回は、違った側面からこのイベントについて語ってみようと思います。

これまでの、ではなく、“これから”のユノネホウボウについて。



「モノ」と「コト」の単純対比を前提に、
今「モノからコトヘ」との、さもありそうな現状分析は様々な場で見られます。
音源よりもライブだと。
高価な買い物よりプチ贅沢な旅行だと。
この業界にも、そう両断されてしまいそうな実状は確かにあります。

陶器をただ置いているだけでは人が来ないから展示会を、
展示会だけでは人が動かないから何か会期中イベントを、とか。
各地で林立するクラフトフェア、陶器市の復権などもそう捉えられうる一面です。
当然、ユノネホウボウにだってその目が注がれていることは自覚しております。

その「コト」の問題として、各分野でも共通の懸念材料となっているのが
その不毛にすら映る非生産性。
「非モノ」であるだけに、一時、その場限りの「コト」として消費される「まつり」性。
これには「コト」を仕掛けている側の人間ならおよそほとんどが危機感を持ち、少なからず行く末の暗さを恐れているはずです。

実際、労に糸目を付けず様々な手段なり技術なりを駆使すれば、今や人は集まります。
でもその盛り上がりは、物質的な意味でも精神的な意味でも一瞬の高まり。
過ぎれば急速に力を失います。

そのむなしさに似たぞっとする感覚というのは主催側だけが感ずることなのかもしれませんが
これに真剣に向き合うと意外にきつい。


では「コト」というのは常に、現れては消え去る泡沫にすぎないのでしょうか。
僕は違うと考えています。

いつの世も、どの世界でも、巻き起こった「コト」の中心には紛れもない確固たる「モノ」が在ったはずです。
「モノ」の周辺、あるいは「モノ」と「モノ」のあわいに「コト」はいつも立ち現れてきました。
何の根拠もなしに「コト」が浮かび上がることはまずなくて、
裏を返せば、「コト」を求めればそのうち、必ず「モノ」にぶち当たります。

イベントは云うまでもなく「コト」です。
時間と空間を結んで場を成し、出来事(=イベント)を起こす。
でもそこの真ん中には「モノ」があり、その後ろには絶対に「ヒト」がいます。

ユノネホウボウはなによりその「モノ」と「ヒト」にこそ目を注ぎ、丁寧に見つめます。
そうありたいと願います。
さすらば「コト」はそこに自然と巻き起こる
と、そう考えているのです。

今回のフライヤーやポスターのデザインを担当してくださったshiisoさんは、そこを見事に表現してくださっています。


「コト」が柔軟さと発散方向のエネルギーを持つ反面で、永続性や信憑性に弱さを合わせ持つ一方、
「モノ」は形、重さに限定があり、内向性を持ちつつも、言い換えればそれは信用だったり、継続的な関係を担保してくれます。

ユノネホウボウというイベント自体は「コト」である故に儚さも孕まざるを得ませんが、
その核にやきものという「モノ」を据え、作家という「ヒト」を立て続ける限りにおいて、
ユノネホウボウは独りでに歩き続けるものと考えています。

軸足は「モノ」です。「ヒト」です。
それらはダイナミズムとは縁遠いけれど、時とともに微に細に変化しつつ、いつも相応の魅力を携えて在り続けます。
そこに依拠し、そこから生まれる「コト」はイベント云々ばかりでなく、何であれ緩やかな形を伴いながらやはり、魅力的でしょう。


ユノネホウボウとは、主客ともに互いの“これから”を「モノ」を差し挟んで探る場です。
その極個人的、小さな単位が繋がり転がりそれぞれの「コト」を浮かび上がらせるのです。

翻せば、「コト」の維持拡大を目的化して、それに縛られ終始するようでは
「モノ」は痩せ細り、「ヒト」は疲弊していきます。

方々から集まるに足る湯之根があり、湯が湧き出るだけの根っこがそこにあるなら、
ユノネホウボウは出来事としてちゃんと成立するだろうし
その意味はあるはず。
あるものだと信じています。


その信念でここまで来て、今年の3日間を迎えます。
そして、これからを見ています。





大変長くはなりましたが、
初夏のせとものの街のユノネホウボウ2015
ぜひお越しくださいませ。
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# by aji-kyuu | 2015-05-17 21:55 | 案内 | Comments(0)
花を追って
ここにきて春雨。
一日中霧のようにサーと降っていました。
早々と沸き立っていた庭が昨日今日は大人しく見えます。

近所の桜もだいぶ落ちています。
こちら岐阜はもう終わりかな。

そんな日本の桜のように、僕も東北に上っていきます。


関東以北で初めての個展となります。



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安達健 陶展

4月17日(金)〜26日(日)
12:00–18:30(最終日4月26日〈日〉は16:00終了)
design labo necco sendai(仙台市青葉区)


岐阜で作陶されています安達健さんの
東北ではじめて開催の個展です。
土から作るつくり手。
石のような。土のような。
日常の中に佇む器。
その存在感を五感で感じる器。
はっとして、そこで立ち止り、
そのままでずっと眺めていたい。




昨年秋を最後に、これまで数年間出店し続けてきた益子の陶器市で知り合ったお店。
盛岡や仙台で活動されているデザイン事務所にして、「世の中をより良く」と考える発信基地。
ご主人含め、けして声高ではないけれど、
語るところを信じられる、そういう雰囲気をまとったお店です。

昨年末に駆け足で覗いた仙台という土地にも、そもそも僕は興味津々。
今回何に出会えるのか。

それからこの展示に合わせて、neccoではサウンドパフォーマンスも行われます。

hofli アルバム発売記念サウンドパフォーマンス「十二ヶ月のフラジャイル」
4月24日〈金〉 オープン 7:00 pm/スタート 7:30 pm
料金/2500円[当日別途1drink(500円)ご注文下さい]



このhofliというのはラジオゾンデなどでも知られる津田貴司さんのソロプロジェクト。
実は僕も、東京でお世話になっているギャラリー・knulpAAでの展示で一度津田さんの音楽(音響)を使わせていただいたことがあり
その音や音に対する姿勢に魅かれるものを感じ、
たまたま昨年津田さんとお食事する機会もいただいていました。
そこにきてこの巡り合わせ。

本当に楽しみです。


僕の方はといえば、
画像にあるような灰釉の角ものを中心に並べようと思っております。
design laboですので、いつもより素材と意匠についてを考えたうつわを。

在店は4月24日(金)の午後から26日(日)まで。


春の仙台。
東北近隣の方はもちろん、遠方の方もぜひ。


よろしくお願いします。
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# by aji-kyuu | 2015-04-05 22:42 | 案内 | Comments(0)
ユノネホウボウ2015 参加者募集中!
いく、にげる、さる、
いつしか3月も一週間過ぎようとしています。


今年もこの時期が。
作家の皆様へのお知らせです。


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参加者募集中です。
〆切間近。お急ぎください。



今年の開催でついに5年となる、愛知県瀬戸市を舞台にしたやきもののための野外イベント。

僕安達が実行委員会の代表として取り組んでいる活動の一つです。

イベントの主眼は、
やきものの街瀬戸の川沿い広場にて、東海4県の作家がテントの軒を連ね、それぞれの作品とその周辺を展示紹介することで
お客様と対面至近距離でのコミュニケーションをはかること。


作家が自身で自身をアピールすること、
作家がバックグラウンドを明らかにすること、
そういったことに対して、疑問や反意を持たれる方もいようかと思います。
でも少なくとも、すでにある豊かさの時代を越え
一度崩れてしまった双方の共通認識や、共有していたはずの価値観、薄まった信頼関係などを
再度構築し直して、次の時代に繋げていこうという意志と
どこかしらからやってくるのを待つのではなく、自ら、身の周りから動かしていこうという熱意を
胸張って表現していくことは、けして格好悪いことではないし、
それどころかむしろ、本当の意味での明日の豊かさを育てることになる、
そう信じています。


出展作家の募集は来週3/14(土)まで

応募要項、申込書はイベントサイトからダウンロードするなどしてください。
今回は基本郵送による申込のみ受け付けています



遠くから眺めたり、ひとりごちたりするくらいなら
まず飛び込んで、相手にほおり投げることができれば、必ず物事は動きます。

何か思うことがあるなら、ぜひご参加ください。




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ユノネホウボウ2014
〜やきものとその周辺〜

2014年6月6日(金)、7日(土)、8日(日)
10:00〜17:00(少雨決行)
Mパークと末広商店街ニコニコ広場(愛知県瀬戸市)

オフィシャルサイト http://yunonehoubou.jimdo.com/
オフィシャルブログ http://houbou.exblog.jp/
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# by aji-kyuu | 2015-03-06 21:39 | 案内 | Comments(0)
コンテクストはテクストを超越したか
僕らのコンテクスト 安達健 白石陽一 陶器展 先日無事終了しました。


いつにも増して、期待を胸にお越しいただきました皆様、
ありがとうございました。

けして多くはないけれど、皆が皆丁寧に物を観、場を感じてくださったこと
あるいは何かを持ち帰ろうと感覚を澄ましてくださったことは
会場に居てひしひしと伝わり、
その目の動き、一足の向き、身振りしぐさ、
僕もいつにも増して眼で追って、
こぼしてくださる一言に耳をそばだてました。


haseという池に一石を投じて、水面に広がる波紋が色々な形にはね返ってくる。
それがまた返り、返し。
その楽しみの場としての展示会の役割を、あらためて思い知る機会となりました。



テクストは常にコンテクストによって裏打ちがされていて
というかそれはそもそも一体で、
テクストをどう解釈するかとは別の問題として、在るわけで
「物語を付ける」とか「付加価値」とかあらたまって言うまでもなく、はじめから内在している。


一方、ハイコンテクスト社会と云われる日本はすでにほつれつつある。

なんだか通じない、伝わっている気がしない。
前提としてあるはずのコンテクストの共有が為されていない、ないがしろにされているということが
本展企画の後ろを支えた個人的な危機感でした。

その瞬間目の前にある実際を重んじることによって、
相対的には軽んじられ、それどころか引き剥がされるきらいすらあったコンテクスト。
「おもい」とか「うるさい」とか。
都合良く表面だけさらわれて使い捨てられていくテクストたち。

そんな残骸で周囲を埋めつくしてみても、豊かとは到底言いがたいわけで。



今回僕の作品に新作が少なかったのは、
あえてそのいつものテクストにあらためてコンテクストを添えて提示し直したかったから。
作家本人にしたら、それこそがごく当たり前の姿で、いつもと同じ意識でもってのぞんでいるつもりですらあるのですが、
いらしてくださった方々にはちょっと違って見えたかもしれません。
展示会の醍醐味はそこにこそあるように思います。

ともかくもある意味これまで以上に自分をさらした展示会となりました。
それゆえ相応の得るものがありましたし、先々が拓けた気もします。


自分は今どうしたいのか。
ひとは今何を求めているのか。
僕らには今何が必要なのか。


僕らのしごとが、なおのこと楽しみになってきました。



今展にお越しくださいました皆様、有り難うございました。
今後にもどうぞご期待くださいませ。
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# by aji-kyuu | 2015-03-04 23:01 | 考える | Comments(0)
明日からです、
正確には本日から。


トークセッションも面白くなりそうです。



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# by aji-kyuu | 2015-02-21 00:19 | 案内 | Comments(0)