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僕を作ってきた作家達・4
今日たまたま手にとって立ち読んでいた雑誌「暮らしの手帖」の中でとある画家の展覧会がレポートされていた。

昨年の秋から冬にかけて、東京の国立西洋美術館で開かれていたVilhelm Hammershoi(ヴィルヘルム・ハンマースホイ)の大回顧展。

あ、これこれ。
と。

彼の絵画と出会ったのは、もう五年ちかく前のこと。
愛読する文筆家のひとり松浦寿輝の長編小説「半島」の装画として。



例えば装幀や紙質、印刷構成やフォントが作り出すその本なりのセカイも僕にとっては重要な本選びの要素でして、
文庫より、無理をしてでもハードカバーを買う理由のすべてはそこにあったりする。

そういう中、文章内容含めほぼパーフェクトなんじゃないかと思うのが、この「半島」。

まずひと目でその装画に惹き込まれ、内の小さな説明書きを読むと描き手はどうも海外では有名な画家らしい。
しかも少なからず興味を抱いていたデンマークの映画作家カール・ドライヤに多大な影響を与えたとか。

なんだか当時の自分にとって“出会うべくして出会った”作家であるような、そんな直感から調べに調べたものの、
18世紀デンマークの室内画家という以外は美術大学の図書館にさえまともな資料もなく、ネットでも不充分。
その後も大きな本屋や古本屋で思い出すたび探しはせども‥

そうして時が経ち、東京を離れた途端
“ヴィルヘルム・ハンマースホイ展覧会”

!?
以前は“ハメルショイ”と表記されてたために一拍遅れでその告知に釘付け。

ちょうど東京での用を済ませて戻ったばかりだっただけに、残念で残念でならないけれど、観逃しました。


それでも図録くらいは手に入るだろうと。


しかし、数年前にはまったく情報もなかったはずなのに
今日のようにふと見た雑誌やらにごくありふれた調子で紹介されているということは、
やっぱり嬉しいわけで、
と同時に、美術館等含めメディアの剛力をどこか恐ろしくも思うのでした。


ハメルショイの絵について、ああだこうだと述べたいけれど
またまた長々してしまうので。
それはまた別の機会に‥


僕を作ってきた作家達・4_b0156116_2254415.jpg
         黄土+無釉  碗
         内容とは無関係に、さつまいもご飯。
         さしたる芋ではないはずなのに、甘くて美味くて。
         もうちょっとだけおいしいお米で、上手に炊きたいなあ。
by aji-kyuu | 2009-02-06 23:00 | 観る | Comments(2)
Commented by unokazu at 2009-02-07 11:08
そういや昔言ってたね。ハンマースホイだったとは。
オレは観に行って図録も買ったのだけど、図版だけだと微妙で、好きにならなかったかも。実際観に行ったのも、なんかやってるから観てみた、くらいの感じで。
実際観たらもの凄く良くて驚いた。いつか実際に観れるとよいね。
Commented by aji-kyuu at 2009-02-07 23:11
覚えてましたか。

東京離れて一番不便に感ずるのは、面白い美術展の圧倒的な少なさ。
地方から“テイクアクション!”ですわ、やっぱり。

そういや以前の巡回展の時、「冬のおわりとはなし」にもハメルショイの画面と似た種の胸騒ぎ覚えたんですよね。


白翔の会観に行けなさそうです。

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