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遠くなり近くなる水音のひとり
先週末、用事で長野に出掛けていた。
ちょうど信州善光寺の“数え年で七年に一度の盛儀”という「善光寺前立本尊御開帳」だとかで
えらく混みあった門前通り沿い、瓦葺き白壁の旧きを模した商店建築が多い中
フラットで非装飾な正面ガラス張りの北野カルチュラルセンターにてひっそりと開催されていた
「山頭火の善光寺みち展」にふらり立ち寄ってみた。

種田山頭火。自由律俳人。漂泊の人。
山頭火と、彼がある時期旅の途上で訪ね歩いた信州の俳句仲間との交流を紹介する
といった内容。

広すぎず狭すぎず、
ひと気はさっぱりなもののきりりと締まった展示空間。
胸が騒ぐ。


案の定、そこに掛けられた幾幅かの自筆の句書にあっという間
がっちり掴まれてしまった。


控えめで優れた軸装。
書の剛胆さと研がれたセンス。
そして、句のぬるくも澄んだあじわい。


— 飲みたい水が音たてていた —




知っていた。
確かに国語で習った名です。
でも

またしても出合い頭の衝突。
しばらくはこの作家に委ねてみたい。連れられたい。

ひとまず、よい句集を探そうと思う。
by aji-kyuu | 2009-06-01 22:52 | 観る | Comments(0)
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