ぼくはもういかなきゃなんない すぐいかなきゃなんない どこにいくのかわからないけど さくらなみきのしたをとおって おおどおりをしんごうでわたって いつもながめてるやまをめじるしに ひとりでいかなきゃなんない どうしてなのかしらないけど おかあさんごめんなさい おとうさんにやさしくしてあげて ぼくすききらいいわずになんでもたべる ほんもいまよりたくさんよむとおもう よるになったらほしをみる ひるはいろんなひととはなしをする そしてきっといちばんすきなものをみつける みつけたらたいせつにしてしぬまでいきる だからとおくにいてもさびしくないよ ぼくもういかなきゃなんない さようなら 『はだか』(谷川俊太郎著)より ここしばらく一冊の本を読み継いでいました。 『ぼくはこうやって 詩を書いてきた −谷川俊太郎、詩と人生を語る−』 詩人谷川俊太郎とその編集者で親友の山田馨が対談形式で、文字どおり詩と人生を語るもの。 ナナロク社からつい最近刊行された書籍で、年譜を含むと700ページを越える厚さなので ちょっと一見したら気が引けるかもしれませんが、会話を収録したかたちなのですいすい読めるし 各時代ごとの詩集からいくつか選び出して、それをもとに話を進めているので 谷川ビギナーにも入門になるし、 なによりも詩と詩人の魅力が厚みに違わずぎっしりと詰まっていて とてもいい本。いい仕事。 もう本当におすすめです。 正直僕らの世代にとっては谷川俊太郎って、国語や音楽の教科書に当たり前に載っていたし 雑誌広告やテレビコマーシャルなんかでも使い込まれていたし 読む以前から「大詩人」だった。 だから、なのか これまでまともに意識して読んだこともなかった彼の詩群に、僕はこの本であらためて向き合った。 読むべき詩がたくさんあった。 すごく興奮したし、 胸の奥からせり上がってくるものがあったし、 気持ちがほどけたりもした。 「さようなら」なんか、 ちょっと冷たく鋭利な物を突き付けられるような けれど背筋がしゃんと伸びるような心持ちにさせられて。 ことばをシンプルに繋ぎ合わせていくだけで、こういうことってできるんだなあ。 凄いよ。 また、谷川さんの作家としての生き方(在り方?)にも思うところがたくさんあった。 やっぱりそういうタイミングにきているのかな、と自分に翻して考える。 ロボットではないから、カタンと設定変更できないけれど。するつもりもないけれど。 いかなきゃなんない それだけはどうも確からしい。
by aji-kyuu
| 2010-10-10 21:12
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