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此の地、彼の地
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安達 健 陶器展

2018.5.14mon - 5.27sun
11am - 5pm


温石 tadokorogaro(長野県松本市)





僕安達健は、陶器を作り始めるそのずっと以前から
料理をすることが好きでした。
小学生の時分、共働きの我が家では土曜の昼飯は僕の担当だったし
月に一度は家族の夕飯を用意していたものでした。
今や毎食台所に立ちます。

何故そんなに料理していたのか、何に惹かれて続けていたのか
今となっては分かりませんが、
ともあれ食について考えることは至極当たり前の振る舞いとなりました。


一方でこの業界で仕事を重ねていると、時に見過ごせない違和感にぶつかることがあります。
「器に対する無意識」。
自身の「やきもの」について冗舌に語る者は多いけれど、
「うつわ」についてはさっぱり無関心。
知識もなければ、意図も弱い。

曲がりなりにもひとりの作家として、それで良いのだろうか、と。



松本に、それはそれはとても素敵な料理屋があります。

希少だったり、美味と評判な素材を扱うわけでなく、
特殊な技術や、新しい調理法を駆使するわけでなく、
ただ、普通のことを真摯に丁寧に重ねているだけ。
いや、だけというよりか、その贅沢。

けして分かりやすいわけではないけれど、確かに五感へ伝わってくる想いある仕事。

こういった地方都市でも、こんなまっすぐな仕事をされている方がちゃんといらっしゃる。
その嬉しさと相まって、
3年ほど前、ここ温石でいただいたことが、僕の食の経験の中でとても大きなものとなっています。


そんな料理人とイラストレーターの奥様によるギャラリーが、隣接する「tadkorogaro」
今回思いがけずお声掛けいただき、念願叶って展示会を催させていただくこととなりました。


松本では実質初個展ですので、シリーズ全般を持ち込み
素材の文脈から並べ、料理へと結んでいく予定。
もちろん昨今の軸である「やきもの」と「うつわ」の高次の両立を目指した食器、花器。

また料理屋さんですから、僕の器を絡めたコースもお食事いただけます。
こちら詳細は温石HPにて。

会期は長いですし、最終の二日間は全国的に有名なフェア、クラフトフェアまつもとも程近い公園で開催されます。

初夏。梅雨を目前にした旅の季節。
お近くの方だけでなく、遠方から足を運ぶ価値は十分にあるかと思います。


ぜひ、お出掛けください。
安達の在廊は、14(月)、25(金)、26(土)、27(日)となっております。

どうぞよろしくお願いします。




土から器へ。

上流から下流へ下る土。
その土を砕き、触れる手の感覚を頼りに土の性質を探り、それぞれに適した形、釉、焼を決めていく。
上流の灰〆、中流の灰釉、下流の長石釉。
一方で料理を想う。
土と釉の特性や焼成温度による熱の伝導性や香りの立ち具合、盛られる料理の姿をも考慮に入れ、
その土の向かうべく必然的な形(器)へと導く。 
                                       ーーー(DMより抜粋)

by aji-kyuu | 2018-05-09 23:56 | 案内 | Comments(0)
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