安達 健(灰〆)・フクオカ タカヤ(komorebi)
二人展 2018.5.17THU - 5.27TUE 11:00 - 20:00 LAST DAY - 17:00 うつわ謙心(東京都渋谷区) 一昨日、松本展についてをアップしたばかりですが、 来週にはもう一本展示会が始まります。 おなじみ、うつわ謙心さんでの二度目の灰〆展。 再び、フクオカさんとのマッチンングです。 ここであらためて「灰〆」と呼ぶシリーズについて少しだけ解説します。 もうそれこそデビュー当時から続けている定番の石目調は 一見すると無釉焼締陶のようですが、実は表面にはいわゆる灰釉が施されています。 一般的に陶器は、粘土質の胎をガラス質の釉薬が覆うように形成されています。 一方灰〆は、非常に粗い粘土と灰を主成分にした薬が溶け合って表面を作っています。 そもそも粘土あるいは土というものは、火山活動や地殻変動によって表出した石、岩盤が 風雨にさらされ、流出や有機物の混入を受け入れることで生成されていきます。 その過程によって様々な性質の土が存在するわけで、日本のように狭い中で変化に富んだ国土においては それこそ多様な粘土が掘り出されてきました。 灰〆シリーズに使っている粘土はそういった中にあって、「陶芸用粘土」としてはとても特殊な性質をしています。 簡単に言えば、”粘土になりきっていない粘土”。 まだ石の成分純度が高く、粒度も細かく揃っていない、陶芸に適した粘土とはおよそ言い難いもの。 作る段での扱いにくさはもちろんのこと、耐火性が極端に強く、なかなか焼き締まらない厄介もの。 そんなこの土と向き合う中で、とある配合の釉薬が浸透しやすい性質を見つけ、 それを利用して「やきもの」に昇華させたのが、このシリーズです。 灰〆の断面を見てみると、一般に見られる粘土と釉薬の二層構造ではなく 粘土のベージュ部と釉反応したグレーの混在部がグラデーションになっていて、そこに明確な境目はありません。 言うなれば表面だけ再度”石化”させたといったところでしょうか。 石化といっても、膨大な圧力エネルギーと、悠遠な時間がまったくに足りていないため、その形成は表面にとどまっているのですが こういったいきさつから、御影石や大谷石のような風姿をしている理由が分かるはずです。 さて、そんな”やきもの”をどう”うつわ”に結んでいこうかと身体を用いて考えることが、作家の任であります。 相手が相手ですので、まだまだ道半ば、解答不十分ではありますが 今現在のその地点を、共有できましたら幸いです。 どうぞよろしくお願いします。 私安達の在廊は、17(木)、19(土)、20(日)、22(火) の四日間。 お待ちしています。
by aji-kyuu
| 2018-05-12 06:52
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