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水郷

安達 健 展
2022.9.3sat - 9.11sun
open12:00 closed17:00 
月曜定休
滔々(岡山県倉敷市)


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“淡(たん)”
サンズイに、ほのお。
相反する要素をくっ付けたようなこの字。
つくりは音を表しているだけで、とりたてて意味は無いようだけれど
あえて言うなら、“淡”はまるで私の理想。
冷たいようでいて、なお熱く。
凪いでいるそのうちで滾る、うつわ。

運河のまち倉敷の、滔々と称す空間にて
淡い緑色を呈する器を中心に並べます。



昨年春に引き続き、今年度は秋に倉敷個展の機会をいただきました。

案内状に寄せたテキストにあるように、とにかく水の匂いを感じる街。
穏やかにたゆたう運河はもちろん、
足下から延びる妙なまでの平らかさが、奥底の水面を想起させたり。

そのギャラリーの名は「滔々(とうとう)」。
街に僕が抱く、ぬるむくらいの緩慢な水流とは逆に、
山あいを量も速さも十分に下ってくる躍動感のある様。
滔々さんは、倉敷の美観地区の真の意味での開発と持続を旨とする事業を展開する会社の一翼。
古き良きたてものを活かした一日1組限定の宿を何棟か運営しており、
同時に、それら宿内にしつらえる調度品を担う作家らの展示会も行っています。

このご時世、困難は計り知れませんが
そのビジョンとスタンスには共感とともに、尊崇の念すら覚えます。

なお、今回の案内状に掲載されている写真は全て
ギャラリー二階に構える日本料理店「Bricole」さんに盛り付けていただいています。


ちょうど体感的にも夏から秋へ移行しようとするこの時季。
夏の鮮やかな色みが、どこかもの寂しく褪せてくる白昼。
夜長の星月。虫の音。
そうした風情をやきものの中に見て、
また、食卓に上るものが徐々にフレッシュなものから煮炊きしたものに移っていく
そんな変化をも想像して、
今回の展示品を構成しています。


初日と二日目には遥々横須賀から倉敷の店頭に立つ予定です。
直でなければ話せないこと
語り合う中でしかこぼれ得ないことを交わしたいと思っています。

ご都合つく方は、ぜひともお越しくださいませ。よろしくお願いします。


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# by aji-kyuu | 2022-08-25 22:11 | 案内 | Comments(0)
まっすぐに
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安達健(陶)・佐川岳彦(竹) 展
2022年7月6日(水) 〜 11日(月)
12:00 〜 19:00 最終日17時まで
会期中無休
うつわshizen(東京都神宮前)





昨年、まだ雨の匂いすら遠い初夏5月に、初めてご一緒した竹工芸の作家佐川さん。
一年経て、今回再びところ同じくshizenさんにて、
まさかの梅雨明けを済ませた青空の下
二人展を企画していただきました。

前回展示の際にも述べたことですが、
竹素材への関心もあり、また佐川さんのお仕事自体への興味もあって
この際工房へ訪ねてみよう、
と5月末、栃木県大田原へ車を走らせました。

東京を縦断して、四時間程度。
関東平野が尽きる手前の、広い広い空。
新緑眩しい里の風景。
幹線道路から外れて、これから山へ分け入っていく、その入り口に
素竹庵は、鬱蒼とした木々を背負って在りました。

この辺りにかつていくつも建っていたであろう、いわゆる古民家を利用した工房は
庵と言うにぴったりな風情で
そのうちひと部屋、背の高い佐川さんなら伸ばせばおよそ手が届くほどこじんまりした作業場に
竹筒が無造作に転がり、ひごが並び、板壁に編み途上のカゴがかかり、
作業台と思しき分厚い木盤に、小ぶりなナタ。
全くもって想像通りの、簡素な空間。

竹を横にして切り揃え、縦にして割く作業も見せていただく。

しゃがみ込み、立ち上がり、両の手と刃物でキコキコトントン。
そこにはもちろん、細やかな力の具合や、道具や身体の使い方が隠されているのだろうけれど
特別な技や、高等な術はこれといって見て取れず
ひとえに外連味の無い、真っ直ぐな
およそ創作よりも作業と言うに相応しい、その身振り。

そうしてようやく調えられた素材としての竹ひごを
点と点を結び、積み重ねていくことの途方もない繰り返しでのみ、形を成す。
指先の小さなひと編みが、いつしか全体を立ち上げる。
何とも潔いもの作り。

「芸」という言葉にはあたわない、暮らしの中の「工」の営みが
そこにはありました。

まっすぐ、つつましく

「自分のやっていることなど‥」と謙遜される佐川さんのお人柄と相まって
竹という素材と、そこから作り出す行為の真なるすこやかさに
改めて尊敬の念を抱きつつ、南へ南へ引き返したのでした。


同列に並べることに、僕の器は耐え得るか。
そんなプレッシャーを感じつつも、でき得ることをするのみと
いつものように土を叩き、練り、焼きました。

また、前回は未完のままに終わった佐川さんとの共作土瓶も届くはずです。

在廊は安達が6(水)、9(土)の二日間。
佐川さんは6(水)のみです。

どうぞよろしくお願いします。


# by aji-kyuu | 2022-07-01 14:04 | 案内 | Comments(0)
平らかな庭にて
フィールドオブクラフト倉敷2022
全国のクラフト作家 59組による作品の展示と、8組のワークショップを開催します。

日 : 2022年5月21日(土)・22日(日) 2日間(雨天決行)
時 : 10:00~17:00 (最終日は16:30まで)
主催 : フィールドオブクラフト実行委員会
HP



あれはもう三年も前のこと。

ご縁にご縁が繋がって、初めて岡山倉敷にて出展の機会をいただいた。

陶器作りを仕事としようと決めて活動を始め、間もない頃から
風の噂には聞いていた野外展。

生まれは愛知。
大学で東へ出たこともあり、西へのご縁が極端に少なかった頃
細い糸を手繰ってくださった先達のおかげで、一つのハブができ
気付けば出展という立場で関わらせていただけるように。

初出展の翌年以降、感染症の流行で中止を重ねざるを得ない辛酸を経て
今年、ようやく開催へと辿り着きました。

まずは、委員長を始め、度重なる労苦の中にあっても
飽くることなく努め、開催への情熱を失わなかった実行委員、それを支えた皆様に御礼申し上げます。


作り手を、使い手を、ひとところに集め
ものとこころのやりとりの場を立ち上げることの、意味。意義。
感染症無くしても、すでに十分すぎるくらいオンライン、ノンリニアな時代に
原始的ともとれる野外クラフト展を開催する、というのはどういうことなのだろうか。

かつて同様にフェアを主催していた一人としても、改めて考える。

その答えはを今ここに書きつけることは野暮な気もするし、
まず上手く言葉にできない気もする。

多分会場で立ち、振る舞い、語り、向き合えば
自ず身体で感じ、言葉で結ぶこともできよう。
今回、何よりそのためにこそ倉敷へ向かおうと思います。


灰秞系のシリーズ、長石秞系のシリーズ、
定番の鉢ものから、なかなか並べにくい大ものまで。

フィールドオブクラフト倉敷では、作家ごとにテントでの展示販売のみでなく
それぞれのもの作りの背景をも伝えるべく、各作家工夫します。
僕安達は、「食器であること」に特化して見せていくために
普段自宅でやるように、自作の器への盛り付けデモンストレーションを、随時行う予定です。

この器にどう盛るか、はもちろんのこと
同じ惣菜をこっちの器に盛り変えたら?とか
もの器の盛りどころは?とか
器に盛ることの楽しみをいっそうにお伝えしていきたいと考え、準備しています。

どうぞ、お料理の並ぶ食卓を挟んで会話を楽しむ、といったくらいのお気持ちで
お運びくださいませ。


よろしくお願いします。


平らかな庭にて_b0156116_22021295.jpg


# by aji-kyuu | 2022-05-15 22:11 | 案内 | Comments(0)
過程を想う
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過程を想う_b0156116_21514449.jpg


安達健(灰〆)×フクオカタカヤ(komorebi) 二人展
2022.5.12 thu - 17 tue
11:00 - 20:00 
LastDay - 17:00 会期中無休
うつわ謙心(東京都渋谷)




この季節恒例の二人展です。

二人きりの作家で展示会を組むということ。
それは単なる対比を企図したものでもなく、はたまた調和のみを目指したものでもない。
作る側としては、相手を組み伏せようともしなければ、
また相手に寄せようともしない。
どちらかがどちらかの引き立て役に堕することを好しとしない。
むしろ展示の場に、あたかも弁証法的に、おぼろげな解を立ち上げる。
関わる個人としては、そうしたかたちを望んでいる。

それが常に成功するとは限らない。
否。
成功することのみを期待しているわけでもない。
そこを希求し、そこに至らんと尽くすことに、私も、多分相手も意義をみている。
そしてその営為を、痕跡を、第三者は楽しむのだろう。


今展では、これまで和食器的な小鉢皿の陰に隠れて見えなかった
洋食器について、改めて取り組んでいます。
その他、花器にも肉薄したいとのぞみました。

そうした過程にこそ期待して、
どうぞお出掛けください。
よろしくお願いします。

安達在廊日 5/12(木)、14(土)


初日12(木)は事前予約制となりました。
予約についてはお店の特設ページへ。


# by aji-kyuu | 2022-04-23 22:27 | 案内 | Comments(0)
属人器
飯碗、湯呑み、小皿 展

2022年4月9日(土)〜 15日(金)
11:00am 〜 6:00pm  最終日5:00pmまで
うつわPARTY (東京都駒場)

安達健 阿部春弥 稲村真耶 長谷川奈津 山野邊孝


いちばん身近にあるうつわ。
手に取って温もりを感じるうつわ。
小さいけれど、作り手の「らしさ」が詰まったうつわ。
そんな飯碗、お湯呑み、お小皿を
5人の作家さんにお願いしました。
ほのぼのとたのしい催しになりそうです。



属人器_b0156116_21035335.jpg



学生の頃、井戸茶碗ばかりを作っていました。
とりわけ「喜左衛門」と銘された国宝の、
その形状を、その質感を
写したいと欲し、ただそれに明け暮れていました。
できた陶器を、何に使うかは全く意図せずに。

抹茶を喫する機会もさしてなく、せいぜい冬に集まる仲間たちとの鍋によく登場していた、くらいなものでした。

あれから20年近くが過ぎ、
僕の作る陶器はアートピースから大きく離れ、道具そのものと一体化しました。
けれどその底流には、今もまだあの頃に吸い込み吐き出した感覚が息付いているようで
それが最も表れてしまうのは、やはり飯碗のようです。

今展は、そんな飯碗に加え、湯呑み、小皿をテーマに
密度の濃い器を作られる四名の方々とご一緒させていただきます。

取皿ともなる小皿は別として、
飯碗や湯呑みはこの文化圏において「属人器」と解されています。
特定の誰かの専用の器。
いつも決まった人が使う器。
その人と共に、時を重ね、生きる器。

いつどんな時代にあっても、
その人の身体の延長であるところの属人器は
直に、じっくりと見て選びたい。

どうぞお出掛けください。


安達在廊日 初日9日(土)終日
# by aji-kyuu | 2022-04-03 23:08 | 案内 | Comments(0)